しみ専門サイト。先天性、後天性の症状・原因の解説、予防法など。

しみドットコム 主催:品川シーサイド皮膚・形成外科クリニック

コラム

第2回 アスクレピオスの杖

当院のロゴマークに関して、患者さんから時々質問されることがあるので、その意味とデザインの経緯について説明したい。

まず、一匹の蛇が絡まっている杖は「アスクレピオス(ASKLEPIOS)の杖」と呼ばれ、医療の神であるアスクレピオスが大地の治癒力を伝える蛇の絡んだ杖を携えていたとされ、医療関係のシンボルに使用されている。また、健康、長寿、不老不死などを象徴しているとされる。

これに対して、二匹の蛇が絡まっている杖もあり、これは「ヘルメスの杖(別名はケリュケイオン、カドゥケウス)」と呼ばれ、杖の頭に1対の翼のついていることが多い。翼は、情報を伝える速さの象徴を意味する。商業、通信、交通などのシンボルとされ、幸福、平和などを象徴している。 因みに、杖には力、蛇には知恵、翼には勤勉という意味もあるとされる。しかし、ルネサンス期頃から、ヘルメスの杖が医学のシンボルとしても使われはじめ、今日ではアスクレピオスの杖と混同して両者が使われる傾向がある。

蛇が何故モチーフとして描かれているかは世界中に諸説あるが、古代ギリシアでは神聖な健康のシンボルと考えられていた。また、蛇の脱皮は死と再生を司るとされ、復活と再生のシンボルとも考えられていた。蛇のもつ不老不死のイメージ、不老不死からくる絶対的な知識の象徴が結びついて現在のイメージに落ち着いたと思われる。

上述のようなバックグラウンドを鑑みて、当院のロゴマークは、本来の医学のシンボルであるアスクレピオスの杖を原型モチーフにし、ヘルメスの杖の翼を冠として現代社会の高度情報社会における伝達の速さを象徴させました。また、底面には医学知識の泉を象徴とした本に杖が刺さっており、多様な疾患に悩まれている方に的確且つ最新の医療が施せるようにとの願いがこめられています。

>> バックナンバー一覧
▲トップへ戻る